モデルケースの会社
起きていたこと
新築とリフォームを年間30件ほど手がけ、社長が営業・見積・現場の管理まで担っています。資材と協力業者の手間賃が上がる一方、見積は社長の経験による概算が中心で、完成工事総利益率は21%台から18.6%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
見積が資材高に追いついていない
見積の単価が数年前の感覚のままで、着工時には資材費が見積を上回る工事が続いていました。
口頭の追加工事が請求されていない
施主との打ち合わせで決まった追加や変更の多くが書面に残らず、1件あたり数十万円の請求漏れが出ていました。
協力業者の値上げを吸収
大工・設備・内装の協力業者からの値上げを受け入れる一方、見積には反映していませんでした。
90日の打ち手(モデル)
工事ごとに見積と実績を並べる
直近の完工物件について、見積・実際の資材費・外注費を工事別に並べ、利益が漏れた項目を特定する。
見積単価の更新と変更合意書
資材と外注の最新単価で見積の単価表を作り直し、追加・変更は簡易な合意書(その場でスマホから作れるもの)を交わす。
契約に価格変動の取り決めを入れる
着工までに資材価格が大きく変わった場合の請負代金の見直し方法を契約書に記載する(改正建設業法で、価格変動時の請負代金の変更方法は契約書の記載事項です。施主が個人の場合も同じです)。
完成工事総利益率の変化(モデル)
計算:年商4.41億円 × 3.1ポイント = 約1,367万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
小さな工務店では、社長の「サービス精神」が利益を削っていることがよくあります。追加工事を書面にするだけで、施主との行き違いも減ります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・現場監督・経理担当へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。