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CASE ── 業種別モデルケース|建設・工務店

工務店の利益は見積と追加工事で漏れる ── 年商14.6億円・地域の建設会社のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、建設・工務店の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 建設会社・工務店で利益(完成工事総利益)が漏れやすいのは、①見積時と施工時の資材単価の差、②追加・変更工事の請求漏れ、③工事ごとに管理されていない外注費です。
  2. 見積から着工まで数か月あくと、その間の資材値上がりがそのまま利益から消えます。
  3. 工事別の実行予算と実績を突き合わせる仕組みを作ると、年商14.6億円規模で完成工事総利益率3ポイント弱、年間約4,093万円の改善余地があります。

モデルケースの会社

業種建設・工務店
年商14.62億円
従業員42名
主な取引先個人施主・地元企業・公共工事

起きていたこと

注文住宅と店舗・事務所の建築を手がけています。受注は安定していますが、資材や外注費の上昇で工事ごとの利益にばらつきが大きく、完成工事総利益率は20%前後から17%まで下がっていました。

診断で見えた「粗利の漏れ」

見積から着工までの資材値上がり

見積から着工まで平均4か月あり、その間に上がった資材費を契約金額に反映する取り決めがありませんでした。

追加・変更工事の請求漏れ

現場で施主の要望を受けて行った追加工事のうち、書面に残らず請求されていないものが、売上の約1%相当ありました。

外注費が工事別に管理されていない

協力会社への支払いが月まとめで処理され、どの工事でいくら使ったかが完工後まで分かりませんでした。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

工事別の実行予算と実績を突き合わせる

直近の完工物件について、見積・実行予算・実績を工事別に並べ、利益が漏れた工事と項目を特定する。

DAY 31〜60日

資材価格の変動条項と追加工事のルール

契約書に資材価格の変動に応じた請負代金の見直し方法を記載し(改正建設業法で契約書の記載事項)、追加・変更工事は現場で書面(簡易な変更合意書)を交わす運用にする。

DAY 61〜90日

外注費を工事番号で管理

協力会社の請求を工事番号ごとに受け付け、着工中から実行予算との差を毎月確認する。

完成工事総利益率の変化(モデル)

BEFORE
17.0%
→
AFTER(想定)
19.8%
改善幅 +2.8pt / 年間の粗利増加 約4,093万円

計算:年商14.62億円 × 2.8ポイント = 約4,093万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

建設業の利益は、契約と現場の「書面化」でかなりの部分を守れます。どの工事でいくら漏れたかを一度数字にすると、現場監督の意識も変わります。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工事部長・現場監督・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、工事別・取引先別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

施主に資材の値上げを求めるのは難しいのでは?

契約前に変動条項を説明し、根拠となる資材価格の推移を示せば、施主の理解を得やすくなります。契約後に急に求めるより、通りやすくなります。

現場監督が忙しく、書面を残す余裕がありません。

スマホで写真と一言を送るだけの簡易な変更記録でも、請求漏れは減らせます。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール