モデルケースの会社
起きていたこと
注文住宅と店舗・事務所の建築を手がけています。受注は安定していますが、資材や外注費の上昇で工事ごとの利益にばらつきが大きく、完成工事総利益率は20%前後から17%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
見積から着工までの資材値上がり
見積から着工まで平均4か月あり、その間に上がった資材費を契約金額に反映する取り決めがありませんでした。
追加・変更工事の請求漏れ
現場で施主の要望を受けて行った追加工事のうち、書面に残らず請求されていないものが、売上の約1%相当ありました。
外注費が工事別に管理されていない
協力会社への支払いが月まとめで処理され、どの工事でいくら使ったかが完工後まで分かりませんでした。
90日の打ち手(モデル)
工事別の実行予算と実績を突き合わせる
直近の完工物件について、見積・実行予算・実績を工事別に並べ、利益が漏れた工事と項目を特定する。
資材価格の変動条項と追加工事のルール
契約書に資材価格の変動に応じた請負代金の見直し方法を記載し(改正建設業法で契約書の記載事項)、追加・変更工事は現場で書面(簡易な変更合意書)を交わす運用にする。
外注費を工事番号で管理
協力会社の請求を工事番号ごとに受け付け、着工中から実行予算との差を毎月確認する。
完成工事総利益率の変化(モデル)
計算:年商14.62億円 × 2.8ポイント = 約4,093万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
建設業の利益は、契約と現場の「書面化」でかなりの部分を守れます。どの工事でいくら漏れたかを一度数字にすると、現場監督の意識も変わります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工事部長・現場監督・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。