モデルケースの会社
起きていたこと
ビルや工場の電気設備・空調設備工事が中心で、元請の多くはゼネコンやサブコンです。職人の確保のために賃金を上げてきましたが、元請からの単価はほとんど変わらず、粗利率は23%台から20.5%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
夜間・休日の割増が請求されていない
テナントが営業中の建物では夜間・休日工事が多いのに、見積は昼間の単価のままで、割増分を自社で負担していました。
現場の余剰材が管理されていない
多めに手配した配線・配管材が現場ごとに余り、倉庫に戻らず廃棄されるものが少なくありませんでした。
元請単価が数年据え置き
主要な元請3社のうち2社は、単価の見直しが数年間ありませんでした。
90日の打ち手(モデル)
工事別に人工と材料を突き合わせる
直近の工事について、見積の人工・材料と実績を並べ、差が大きい工事と原因(夜間、余剰材、手戻り)を特定する。
割増と単価の見直しを申し入れ
夜間・休日の割増率を見積に明記し、据え置きの元請には労務費の上昇を示して単価改定を申し入れる。
材料の手配と戻しのルールを作る
材料の発注量の基準と、余剰材を倉庫に戻して次の現場で使う流れを決める。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商9.41億円 × 3.1ポイント = 約2,917万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
設備工事の粗利は、見積の「書き方」と現場の「段取り」で大きく変わります。労務費の上昇を根拠に単価を見直すことは、改正建設業法(2025年12月全面施行。著しく低い労務費での見積り・契約の禁止など)の考え方にも沿った正当な交渉です。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工事部長・現場監督・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・元請別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。