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COLUMN ── 粗利改善の実務

粗利と営業利益の違い ── なぜ改善指標は「粗利」なのか

公開 2026-10-02 | 執筆 大越 隆行
この記事の要点
  1. 粗利(売上総利益)は売上から売上原価を引いたもの、営業利益はそこから販管費を引いたものです。
  2. 営業利益は役員報酬・減価償却・退職金の積み方で数百万〜数千万円動きます。粗利は価格と原価の現実だけでできています。
  3. 粗利率が3%上がれば営業利益率も3%上がります。営業利益率1.8%の会社なら、営業利益は約2.7倍です。

売上100万円の行方

年商8億円の金属加工メーカーを売上100万円に縮めた例です(比率は同じ)。粗利の層は価格と原価でできていて、打ち手が集中します。販管費の層は役員報酬や給料、家賃で、削れば人の話になります。

営業利益を成果指標にできない理由

営業利益は、役員報酬の取り方、減価償却の方法、退職金の積み方で大きく動きます。社長自身が「実態ではない」と知っている数字を、改善の基準にはできません。粗利は価格と原価の現実だけでできているため、言い訳ができません。だから粗利ドックの成功報酬は、増えた粗利額にだけ連動します。

粗利率3%=営業利益2.7倍の算術

営業利益率=粗利率−販管費率。粗利率17%→20%、販管費率15.2%不変なら、営業利益率1.8%→4.8%。1,440万円→3,840万円=約2.7倍(年商8億円)。

利益が薄い会社ほど倍率は大きくなります。営業利益率3.0%の会社なら6.0%で2.0倍、5.0%なら8.0%で1.6倍です。

粗利は「その日」に分かり、営業利益は「決算」まで分からない

粗利は受注した瞬間に決まります。営業利益は決算まで確定しません。90日の支援期間に営業利益は一度も確定しませんが、粗利なら週次で13回確認できます。改善が本物かどうかを支援期間中に検証できるのは、粗利だけです。

粗利を品番別・取引先別に見る

全社の粗利率だけでは打ち手が決まりません。品番別・取引先別に割ると、赤字品番と据え置き取引先が特定でき、値上げの順番と幅が決まります。粗利ドックは、この分解を1日の現場診断で行います。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、品番別・取引先別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

粗利率の計算方法は?

粗利率=(売上高−売上原価)÷売上高。売上原価には材料費・仕入・外注費・製造労務費などを含めます。

粗利率が上がれば必ず営業利益も上がりますか?

販管費が不変であれば、粗利率の上昇分がそのまま営業利益率の上昇になります。粗利率の改善には追加コストがほぼかからないためです。

営業利益率の目安は?

製造業の中小企業では数%台が多く、営業利益率1.8%のモデル企業は珍しくありません。粗利率3%の改善で4.8%になります。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール