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COLUMN ── 粗利改善の実務

赤字品番・赤字取引先の見つけ方 ── 品番別・取引先別に原価を割る手順

公開 2026-10-02 | 執筆 大越 隆行
この記事の要点
  1. 赤字品番は、材料費×係数の見積では見えません。段取り時間と直課労務費を品番別に割った瞬間に、必ず数品番は赤字が出ます。
  2. 必要なデータは、品番・SKU・案件・取引先のいずれかで分解できる売上と数量。生産管理システムでもExcelでも構いません。
  3. 赤字品番と据え置き取引先が分かれば、値上げの順番と幅、撤退・セット化の判断が決まります。

なぜ赤字品番が見えないのか

多くの中小製造業の見積は「材料費×係数」です。この方法では、段取り替えに時間がかかる小ロット品、外注工程が多い品番、不良が多い品番の原価が過小に見積もられ、売れば売るほど赤字になります。しかも売上の数字は立つので、気づきにくいのです。

手順1 データを揃える

手順2 実原価を割り当てる

材料費・外注費は実績を品番に直課します。製造労務費は、工程別の時間×賃率で品番に配賦し、段取り時間は小ロット品に重く乗せます。この時点で「材料費×係数」との差が出た品番が、要注意品番です。

手順3 赤字品番・据え置き取引先を特定する

品番別の粗利率を並べ、マイナスまたは全社平均を大きく下回る品番を抽出します。次に取引先別に、粗利率と単価の最終改定時期を並べます。3年以上据え置きで粗利率が低い先が、値上げの第一候補です。

手順4 打ち手を決める

この分解は、粗利ドックの1日診断で行う内容そのものです。社長・工場長・経理へのヒアリング、現場観察、見積の実物レビューを経て、A4・8ページの診断レポートにまとめます。

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よくある質問

原価計算システムがなくてもできますか?

できます。品番別の売上・数量データがあれば、材料費・外注費・直課労務費を割り当てて実原価を組み直します。Excelで十分です。

赤字品番は撤退すべきですか?

撤退は選択肢のひとつです。単価改定、最小ロットの設定、セット化で黒字化できる品番も多く、取引先との関係を踏まえて決めます。

どれくらいの会社に赤字品番がありますか?

品番別に実原価を割ると、ほとんどの会社で数品番は赤字が見つかります。全体の粗利率を1%単位で押し上げる余地があります。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール