なぜ赤字品番が見えないのか
多くの中小製造業の見積は「材料費×係数」です。この方法では、段取り替えに時間がかかる小ロット品、外注工程が多い品番、不良が多い品番の原価が過小に見積もられ、売れば売るほど赤字になります。しかも売上の数字は立つので、気づきにくいのです。
手順1 データを揃える
- 品番(SKU)別の売上・数量・単価(直近12ヶ月)
- 品番別の材料費・外注費(見積ではなく実績)
- 工程別の標準時間と段取り時間(なければ現場で実測)
- 取引先別の売上と単価の最終改定時期
手順2 実原価を割り当てる
材料費・外注費は実績を品番に直課します。製造労務費は、工程別の時間×賃率で品番に配賦し、段取り時間は小ロット品に重く乗せます。この時点で「材料費×係数」との差が出た品番が、要注意品番です。
手順3 赤字品番・据え置き取引先を特定する
品番別の粗利率を並べ、マイナスまたは全社平均を大きく下回る品番を抽出します。次に取引先別に、粗利率と単価の最終改定時期を並べます。3年以上据え置きで粗利率が低い先が、値上げの第一候補です。
手順4 打ち手を決める
- 赤字品番:単価改定/最小ロット・最小受注量の設定/セット化/撤退
- 据え置き取引先:順番と幅を決めて単価改定
- 現場:段取り・歩留まり・廃棄ロスの改善で原価そのものを下げる
この分解は、粗利ドックの1日診断で行う内容そのものです。社長・工場長・経理へのヒアリング、現場観察、見積の実物レビューを経て、A4・8ページの診断レポートにまとめます。