モデルケースの会社
起きていたこと
空調設備工事・電気設備工事・ビル設備の保守点検の3部門で、ゼネコンやビルオーナーから仕事を受けています。積算担当が見積を作っていますが、単価表の更新は年1回程度。保守契約の多くは10年以上料金が変わっていません。粗利率は22%台から19.9%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
部門別の採算が分かれていない
部門ごとに分けると、保守部門の粗利率が工事部門より大幅に低く、一部の契約は人件費の上昇で赤字になっていました。
積算の単価が古い
積算で使う材料と労務の単価が前年のままで、受注から施工までの間の値上がりが反映されていませんでした。
保守契約の料金が据え置き
点検の頻度や対象機器が増えた契約でも、料金は契約当初のままでした。
90日の打ち手(モデル)
部門別・工事別の採算を出す
売上と原価を部門別に分け、工事は工事別、保守は契約別に採算を一覧にする。
積算単価の更新と元請との交渉
材料・労務の単価を四半期ごとに更新する運用にし、労務費の上昇を示して元請に単価改定を申し入れる(2025年12月に全面施行された改正建設業法で、標準労務費などに照らして著しく低い労務費での見積り・契約は、受注者・注文者の双方に禁止されています)。
保守契約の料金を見直す
赤字の保守契約から、点検内容と料金の見直しをビルオーナー・管理会社に提案する。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商17.31億円 × 2.8ポイント = 約4,846万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
部門が増えるほど、会社全体の数字では問題が見えにくくなります。部門別に分けて見ることで、どの契約を見直すべきかがはっきりします。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工事部長・積算担当・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・部門別・元請別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。