モデルケースの会社
起きていたこと
社長と職人15名ほどで、地元のサブコンや工務店から電気工事を受けています。材料込みの請負工事が中心で、繁忙期は協力業者にも依頼しています。職人を確保するために日給を上げてきましたが、元請からの人工単価は数年前とほぼ同じ。粗利率は24%台から21.2%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
人工単価が数年据え置き
主要な元請3社とも、人工単価の見直しが数年間ありませんでした。職人の日給はその間に1割以上上がっています。
移動・待機時間が無償
1日に複数の現場を回ることが多く、移動や他業種の作業待ちの時間が人工に含まれていませんでした。
材料の立て替えに手数料がない
電線や器具を自社で仕入れて立て替えていましたが、請求は仕入値のままで、保管や運搬の手間が乗っていませんでした。
90日の打ち手(モデル)
工事ごとに人工と材料を記録
日報に現場ごとの作業時間・移動時間・待機時間と、使った材料を書く欄を作り、1か月分を集計する。
元請に人工単価の見直しを相談
職人の賃金の上昇と、移動・待機の実態を示して、人工単価と移動費の扱いを元請ごとに相談する(改正建設業法の考え方=著しく低い労務費での見積り・契約の禁止も踏まえる)。
材料の請求ルールを決める
立て替えた材料には一定の手数料を乗せて請求するルールを決め、見積に明記する。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商3.36億円 × 3.1ポイント = 約1,041万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
小さな工事会社の交渉材料は、日報の中にあります。時間と材料を記録するだけで、人工単価を見直す根拠がそろいます。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・職長・経理担当へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工事別・元請別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。