モデルケースの会社
起きていたこと
惣菜と焼き菓子をOEMで製造しています。小麦・油脂・卵・包材が軒並み値上がりする一方、OEM先との単価改定は年1回、一部の品目にとどまり、粗利率は27%台から24%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
品目によって歩留まりに大きな差
主力品目の歩留まりは90%前後なのに、手作業の多い品目では80%を下回っていました。差の大半は、成形・カットのばらつきと計量の誤差でした。
包材の値上がりが単価に入っていない
原材料の値上げは交渉していましたが、包材(フィルム・トレー・段ボール)の値上がりは見落とされていました。
小口配送の運賃を自社が負担
発注単位が小さくなり配送回数が増えた結果、配送費が売上の約3%まで増えていました。
90日の打ち手(モデル)
品目別の歩留まりと実原価を出す
投入量と出来高を品目ごとに記録し、歩留まり・廃棄量を見える化。原材料・包材・配送費を品目に割り当てる。
OEM先ごとに単価と条件を見直す
原材料だけでなく包材・配送費の上昇も含めて根拠を示し、単価改定と最小発注単位の設定を申し入れる。
歩留まりの悪い工程を直す
成形・カット・計量の手順を標準化し、歩留まりの低い品目から改善。廃棄の理由を記録して減らす。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商6.28億円 × 3.1ポイント = 約1,946万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
食品工場の粗利は、交渉と現場の両方で取り戻せます。とくに歩留まりは、毎日の小さな差が年間では大きな金額になるため、まず数字で見ることが効きます。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工場長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、品目別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。