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CASE ── 業種別モデルケース|食品卸売

食品卸の薄い粗利は値入れと配送で決まる ── 年商17.9億円・業務用食品卸のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、食品卸売の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 食品卸で粗利が削られやすいのは、①得意先ごとの値入率のばらつき、②小口・多頻度配送のコストが売価に入っていないこと、③仕入先との条件(リベート・価格改定)を確認できていないことです。
  2. 粗利率が10%台後半の卸売業では、1ポイントの改善が営業利益を大きく押し上げます。
  3. 得意先別・商品別の粗利を出して売価と仕入条件を見直すと、年商17.9億円規模で粗利率2ポイント、年間約3,750万円の改善余地があります(配送条件の見直しは、粗利とは別に配送費=販管費を減らします)。

モデルケースの会社

業種食品卸売
年商17.86億円
従業員31名
主な取引先飲食店・給食会社・ホテル(約380軒)

起きていたこと

飲食店や給食会社に業務用食品を配送しています。仕入価格は上がり続けていますが、得意先への売価改定は営業担当の判断に任されており、粗利率は19%台から17.2%まで下がっていました。

診断で見えた「粗利の漏れ」

得意先ごとに値入率がばらばら

同じ商品でも得意先によって売価が大きく違い、古い特価がそのまま残っている得意先が全体の約3割ありました。

小口・多頻度配送のコスト

少額の注文でも毎日配送しており、配送1回あたりの粗利が配送コストを下回る得意先がありました。

仕入先の値上げ・リベート条件の確認漏れ

仕入先の価格改定が売価に反映されるまでに1〜2か月の遅れがあり、リベートの条件も一部で確認されていませんでした。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

得意先別・商品別の粗利と配送コストを出す

売上データから得意先別・商品別の粗利を出し、配送回数と距離から配送1回あたりの採算を計算する。

DAY 31〜60日

売価と配送条件を見直す

古い特価を整理して値入率の基準を決め、最低注文金額や配送回数の条件を得意先ごとに提案する。

DAY 61〜90日

仕入価格の改定を即時に売価へ

仕入先の価格改定を受けたら、決まった期間内に売価へ反映する手順を作り、リベート条件も一覧で管理する。

粗利率の変化(モデル)

BEFORE
17.2%
→
AFTER(想定)
19.3%
改善幅 +2.1pt / 年間の粗利増加 約3,750万円

計算:年商17.86億円 × 2.1ポイント = 約3,750万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

卸売業は扱う商品数と得意先数が多いため、粗利の漏れが「広く薄く」発生します。得意先別に並べて見るだけで、どこから手をつけるべきかがはっきりします。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・営業責任者・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、得意先別・商品別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

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どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、得意先別・商品別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

得意先に値上げを伝えると、取引を減らされませんか?

一律ではなく、採算の悪い得意先・商品から順に条件を見直すことで、影響を抑えながら粗利を戻しやすくなります。

営業担当が値決めをしているので、統一できるか不安です。

値入率の基準と、それを下回るときの承認ルールを決めるだけでも、ばらつきは小さくなります。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール