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CASE ── 業種別モデルケース|食品卸売

社員11名の業務用食品卸が配送コストを取り戻す ── 年商4.9億円のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、食品卸売の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 社員10名前後の業務用食品卸では、①少額の注文でも毎日配送していること、②得意先ごとに売価が担当者の判断でばらばらなこと、③仕入先の値上げを売価に反映するのが遅れることで、粗利が漏れやすくなります。
  2. 配送1回あたりの粗利が、配送にかかる費用を下回っている得意先が少なくありません。
  3. 売価の見直しと値上げの反映を早めることで、年商4.9億円規模で粗利率3ポイント弱、年間約1,360万円の改善余地があります(配送条件の見直しは、粗利とは別に配送費=販管費を減らします)。

モデルケースの会社

業種食品卸売
年商4.86億円
従業員11名
主な取引先地元の飲食店・旅館・給食施設(約160軒)

起きていたこと

地元の飲食店や旅館に、食材と調味料を毎日配送しています。社長と営業担当が得意先との付き合いの中で売価を決めており、仕入先の値上げがあっても、得意先に伝えるのは後回しになりがち。粗利率は21%台から18.3%まで下がっていました。

診断で見えた「粗利の漏れ」

少額・毎日の配送

1回の注文が数千円の得意先にも毎日配送しており、配送1回あたりの粗利が配送費を下回る得意先が全体の約2割ありました。

売価が得意先ごとにばらばら

同じ商品でも得意先によって売価が大きく違い、古い価格のままの得意先が多く残っていました。

仕入れ値上げの反映遅れ

仕入先の値上げから売価の改定まで、2〜3か月かかっていました。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

得意先別の粗利と配送コストを出す

得意先ごとの粗利額と配送回数を集計し、配送1回あたりの採算を一覧にする。

DAY 31〜60日

最低注文金額と配送日を決める

採算の合わない得意先には、最低注文金額や配送曜日の設定を相談する。

DAY 61〜90日

値上げ反映のルールを作る

仕入先の値上げ通知から一定期間内に売価を改定し、得意先への案内文のひな形を用意する。

粗利率の変化(モデル)

BEFORE
18.3%
→
AFTER(想定)
21.1%
改善幅 +2.8pt / 年間の粗利増加 約1,360万円

計算:年商4.86億円 × 2.8ポイント = 約1,360万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

小さな卸売業の粗利は、配送の条件で大きく変わります。得意先との関係を保ちながら、配送のルールを整えることが第一歩です。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・営業担当・経理担当へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、得意先別・商品別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、得意先別・商品別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

配送回数を減らすと、得意先が他の業者に移りませんか?

採算の合わない得意先だけを対象に、最低注文金額などの条件を相談すれば、関係を保ちながら改善できます。

値上げの案内を毎回作るのが大変です。

案内文のひな形を一つ作っておけば、商品名と金額を入れ替えるだけで済みます。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール