モデルケースの会社
起きていたこと
メーカーや卸の荷物を中心に、中型・大型トラック62台で運行しています。燃料費とドライバーの人件費が上がり、時間外労働の上限規制にも対応する必要がある一方、運賃は一部の荷主しか改定できておらず、粗利率は15%前後から12%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
燃料サーチャージの基準が古い
サーチャージを導入している荷主でも、基準となる燃料価格が数年前の水準のままで、実際の上昇分をカバーできていませんでした。
待機・附帯作業が無償
荷主の倉庫での待機時間や、積み込み・仕分けなどの附帯作業が運賃に含まれる扱いになっており、1運行あたり平均1時間以上を無償で使っていました。
帰り便の空車が多い
片道の運行が多く、帰り便の実車率が低いまま固定費を負担していました。
90日の打ち手(モデル)
荷主別・運行別の採算を出す
運行日報から、荷主別の運賃・走行距離・拘束時間・待機時間を集計し、採算の悪い荷主と運行を特定する。
運賃・サーチャージ・附帯料金を申し入れ
燃料サーチャージの基準を現在の水準に改め、待機時間・附帯作業の料金を明示して荷主ごとに条件を提案する。
帰り便と配車を見直す
帰り便の荷物を既存荷主や同業者との連携で確保し、配車を組み直して実車率を上げる。
運賃収入から運行原価を引いた粗利率の変化(モデル)
計算:年商10.73億円 × 3.0ポイント = 約3,219万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
運送業の粗利改善は、運賃そのものより「運賃以外の料金」を明確にすることから始まります。待機や附帯作業を時間で記録するだけで、交渉の材料がそろいます。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・運行管理者・配車担当・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、荷主別・運行別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。