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CASE ── 業種別モデルケース|運送・物流

運送会社の粗利を削る燃料・待機・帰り便 ── 年商10.7億円・トラック62台のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、運送・物流の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 運送会社で粗利(運賃収入から、ドライバー人件費・燃料・車両費などの運行原価を引いた利益)が削られやすいのは、①燃料サーチャージの基準が古いこと、②待機時間や荷役などの附帯作業を無償で行っていること、③帰り便の空車です。
  2. 2024年4月からのドライバーの時間外労働の上限規制(年960時間)で、同じ台数で運べる量が減る中、運賃と附帯料金の見直しは避けて通れません。
  3. 荷主別・運行別の採算を出して条件を見直すと、年商10.7億円規模で粗利率3ポイント、年間約3,219万円の改善余地があります。

モデルケースの会社

業種運送・物流
年商10.73億円
従業員87名(トラック62台)
主な取引先メーカー・卸・3PL事業者(荷主約43社)

起きていたこと

メーカーや卸の荷物を中心に、中型・大型トラック62台で運行しています。燃料費とドライバーの人件費が上がり、時間外労働の上限規制にも対応する必要がある一方、運賃は一部の荷主しか改定できておらず、粗利率は15%前後から12%まで下がっていました。

診断で見えた「粗利の漏れ」

燃料サーチャージの基準が古い

サーチャージを導入している荷主でも、基準となる燃料価格が数年前の水準のままで、実際の上昇分をカバーできていませんでした。

待機・附帯作業が無償

荷主の倉庫での待機時間や、積み込み・仕分けなどの附帯作業が運賃に含まれる扱いになっており、1運行あたり平均1時間以上を無償で使っていました。

帰り便の空車が多い

片道の運行が多く、帰り便の実車率が低いまま固定費を負担していました。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

荷主別・運行別の採算を出す

運行日報から、荷主別の運賃・走行距離・拘束時間・待機時間を集計し、採算の悪い荷主と運行を特定する。

DAY 31〜60日

運賃・サーチャージ・附帯料金を申し入れ

燃料サーチャージの基準を現在の水準に改め、待機時間・附帯作業の料金を明示して荷主ごとに条件を提案する。

DAY 61〜90日

帰り便と配車を見直す

帰り便の荷物を既存荷主や同業者との連携で確保し、配車を組み直して実車率を上げる。

運賃収入から運行原価を引いた粗利率の変化(モデル)

BEFORE
12.0%
→
AFTER(想定)
15.0%
改善幅 +3.0pt / 年間の粗利増加 約3,219万円

計算:年商10.73億円 × 3.0ポイント = 約3,219万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

運送業の粗利改善は、運賃そのものより「運賃以外の料金」を明確にすることから始まります。待機や附帯作業を時間で記録するだけで、交渉の材料がそろいます。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・運行管理者・配車担当・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、荷主別・運行別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、荷主別・運行別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

荷主に附帯料金を求めると、他社に切り替えられませんか?

人手不足で輸送力そのものが不足している中、条件を明確にして安定して運べる会社のほうが、荷主にとっても価値があります。データを示して話すことが前提です。

運行日報が紙で、集計できるか不安です。

まず1か月分を抜き出して集計するだけでも、傾向は十分に見えます。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール