モデルケースの会社
起きていたこと
本社工場と第二工場の2拠点で、試作から量産まで受けています。生産管理システムは入っていますが、標準原価は数年前に設定したまま。営業は5名で、それぞれが取引先との関係で値引きを判断しており、粗利率は22%台から19.6%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
システムの標準原価が数年前のまま
材料単価と賃率が古い前提で計算されており、システム上は黒字でも、実際の原価では赤字の品番が売上の約1割ありました。
値引きが担当者ごとにばらばら
同じような品番でも、担当者によって値引き幅が大きく違い、承認のルールもありませんでした。
工場間で同じ品番の採算が違う
段取りや設備の違いから、第二工場で作ると原価が1〜2割高い品番があり、工場の割り振りは受注順で決まっていました。
90日の打ち手(モデル)
標準原価を実態に合わせて更新
最新の材料単価・賃率・段取り時間で標準原価を作り直し、工場別・品番別・取引先別の採算を一覧にする。
値引きの承認ルールと単価改定
粗利率の基準を下回る値引きは営業部長の承認制にし、赤字品番と据え置き取引先から順に単価改定を申し入れる。
工場の割り振りを採算で決める
品番ごとにどちらの工場で作ると原価が低いかを比較し、生産の割り振りと段取りを見直す。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商16.83億円 × 2.8ポイント = 約4,712万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
規模が大きくなると、粗利の漏れは「仕組みのずれ」から生まれます。システムの数字を実態に合わせ直すことが、交渉や現場改善の出発点になります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工場長・営業部長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、工場別・品番別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。