モデルケースの会社
起きていたこと
社長が営業・見積・段取りの指示まで一人で担い、職人20名ほどで受注をこなしています。上位3社とは20年以上の付き合いがあり、単価の話は切り出しにくいまま。材料と電気代が上がる中で、粗利率は23%台から20.4%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
見積が社長の頭の中にある
見積は過去の似た品番を思い出して決めており、材料単価や加工時間の変化が反映されていませんでした。社長の不在時は見積が止まります。
上位3社の単価が5年以上ほぼ据え置き
売上の約6割を占める3社は、付き合いの長さから単価改定の申し入れをしておらず、材料高の影響を最も大きく受けていました。
特急対応が無償
「明日までに」という依頼に残業や段取りの組み替えで応じていましたが、特急料金は付けていませんでした。
90日の打ち手(モデル)
見積の根拠を1枚の表にする
材料費・切断と曲げの時間・段取り時間・外注費を項目にした簡単な見積表を作り、主要20品番の実際の原価を出す。
上位3社に根拠を示して相談
材料・電気代の上昇と品番ごとの原価を示し、関係を大事にしながら単価の見直しを相談する。一度に全品番ではなく、赤字の品番から始める。
特急料金と最小ロットを決める
納期の短い依頼に割増を設け、少量品の最低金額を決めて、見積表に組み込む。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商4.63億円 × 3.1ポイント = 約1,435万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
小さな工場ほど、社長の経験は大きな財産です。それを見積表という形に移すだけで、値上げの根拠ができ、社長以外でも見積が出せるようになります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・現場リーダー・経理担当へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、品番別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。