モデルケースの会社
起きていたこと
チラシなどの商業印刷と、食品・日用品のパッケージ印刷の2つの事業があります。基幹システムは入っていますが、売上と原価を事業別に分けて集計していません。商業印刷は部数の減少で機械が空く時間が増え、パッケージ印刷は大口取引先からの値引き要求が続いています。会社全体の粗利率は27%台から24.7%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
事業別の採算が分かれていない
事業ごとに数字を分けると、商業印刷の粗利率はパッケージ印刷より大幅に低く、一部の製品群は赤字でした。
印刷機の稼働率に大きな差
商業印刷の機械は稼働率が5割を切る一方、パッケージ印刷の機械は残業でまかなっていました。
大口取引先への値引き
パッケージ印刷の大口2社には、毎年の値引き要求に応じており、用紙やインキの値上がり分を吸収していました。
90日の打ち手(モデル)
事業別・設備別の採算を出す
売上と原価を事業別・印刷機別に分け、稼働率と時間あたりの粗利を一覧にする。
大口取引先と条件を見直す
用紙・インキ・人件費の上昇と事業別の採算を示し、値引きの見直しと価格改定を申し入れる。
設備と人の配置を組み替える
稼働率の低い機械で受けられる仕事を増やすか台数を減らし、人員を忙しい事業に振り向ける。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商15.92億円 × 2.8ポイント = 約4,457万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
複数の事業を持つ会社ほど、事業別に数字を分けることが第一歩です。どの事業で稼ぎ、どの事業で失っているかが分かれば、交渉と設備の判断が速くなります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工場長・営業部長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、事業別・設備別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。