モデルケースの会社
起きていたこと
チラシ・パンフレット・冊子などの商業印刷が中心です。用紙価格は数回にわたって上がりましたが、長年の取引先には言い出しにくく、見積の単価はほぼ据え置き。粗利率は30%近くあったものが26.5%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
用紙値上げの半分以上が未転嫁
用紙の仕入単価は上がっているのに、見積で使う用紙単価の表が古いまま更新されていませんでした。
校正・修正が無償で何度も
3回目以降の校正や、入稿後のデータ修正を無償で対応しているケースが多く、デザイン・DTP担当の時間の約2割を占めていました。
小ロット化で一件あたりの手間が増加
部数は減っても刷版・色合わせ・断裁の手間は変わらず、小ロットの仕事ほど採算が悪化していました。
90日の打ち手(モデル)
仕事の種類別に採算を出す
直近の受注を、チラシ・冊子・名刺などの種類と部数帯に分け、用紙・刷版・作業時間を割り当てて採算を一覧にする。
料金表と校正ルールを改定
最新の用紙単価で料金表を作り直し、校正2回までは無料・3回目以降は有料などのルールを取引先に案内する。
小ロットの最低料金を設定
部数が少ない仕事に最低料金(基本料)を設け、赤字になる受注を減らす。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商5.06億円 × 3.3ポイント = 約1,669万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
印刷会社の値上げは「全取引先に一斉に」ではなく、料金表の改定とルールの明文化で進めると角が立ちにくくなります。無償対応の時間を数字にすることが、社内の意識を変えるきっかけになります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・制作責任者・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、仕事の種類別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。