調査の数字
- 価格転嫁率(全体):54.2% ── 自社負担 45.8%
- 原材料費:55.7% ── 自社負担 44.3%
- 労務費:50.0% ── 自社負担 50.0%
- コスト上昇分を全額転嫁できた企業:27.3%(2025年9月調査)
出典:中小企業庁「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査」(2026年6月26日公表)。
「転嫁できなかった分」はどこへ行くのか
価格に乗せられなかったコスト上昇分は、値引きしたのと同じで、そのまま粗利から消えます。売上高は変わらないため決算の売上欄には現れず、粗利率の低下として静かに効きます。100社のうち全額転嫁できたのは27社。残りの73社は、上がった分の一部または全部を自社で負担しています。
自社の粗利率が何%落ちたかを計算する
計算に必要なのは、自社の材料費比率、材料の上昇率、実際に通った値上げ幅の3つです。この4.9%分が、取り戻すべき粗利の上限であり、粗利ドックが「まず3%」と置く根拠です。
労務費が半分ちょうど、という意味
労務費の転嫁率50.0%は、賃上げした分の半分が価格に乗っていないことを示します。人を守るために利益を削っている構図です。2026年1月施行の取適法で、労務費を含む価格協議に応じないことは委託側の違反になりました。協議の席には着けます。残るのは、根拠となる自社の数字です。
数字を自社に当てはめるには
業界平均の転嫁率より重要なのは、自社の粗利率が材料高の前と比べて何%落ちたか、どの品番・どの取引先で漏れているかです。粗利ドックは、1日の現場診断でそれを品番別・取引先別に数字にします。