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COLUMN ── 粗利改善の実務

取適法(中小受託取引適正化法)とは ── 2026年1月施行で下請法から何が変わったか

公開 2026-10-02 | 執筆 大越 隆行
この記事の要点
  1. 取適法は、下請法を改正・改称した法律で、2026年1月1日に施行されました。
  2. 受託側から価格協議を求められたのに、応じない・説明しない・先延ばしにして代金を一方的に決めることが新たに違反になりました。
  3. 従業員数基準(製造委託等は300人、役務提供委託等は100人)の新設で保護される取引が広がり、通報先も事業所管省庁に拡大しました。

下請法から取適法へ ── 名称と考え方の変化

「下請」という言葉が上下関係を連想させることから、法律名は「中小受託取引適正化法」に、当事者の呼び方も「親事業者・下請事業者」から「委託事業者・中小受託事業者」に改められました。目的は、価格転嫁が進みにくい中小企業の取引環境を是正することです。

変更点① 協議に応じない一方的な代金決定の禁止

受託側から価格協議を求められたのに、応じない・必要な説明をしない・先延ばしにして代金を一方的に決めることが違反になりました。「話を聞いてもらえない」こと自体が、相手の違反です。

これにより、受託側は「協議を求める権利」を実務上の後ろ盾として使えるようになりました。ただし、法律が守るのは「交渉の場に着かせる」ところまでです。何%を、どの根拠で言うかは、自社の数字で示す必要があります。

変更点② 従業員数基準の新設

従来の資本金基準に加えて、従業員数基準が追加されました。製造委託等では300人、役務提供委託等では100人が目安です。資本金を小さくして規制を逃れる形が効きにくくなり、年商3〜20億円規模の中小・中堅企業の多くが保護される側に入ります。

変更点③ 通報先の拡大と不利益取扱いの禁止

公正取引委員会・中小企業庁に加え、業界を所管する省庁にも通報できるようになりました。通報を理由にした取引停止などの不利益取扱いは禁止されています。

受託側の中小企業が、いますべきこと

粗利ドックは、この「協議の席で言う数字」を1日の現場診断で作ります。取適法施行後の値上げ交渉を、根拠のある協議にするための出発点です。

出典

公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法(取適法)」、政府広報オンライン。法解釈は各機関の資料をご確認ください。本記事は受託側の実務の観点で要点を整理したものです。

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よくある質問

取適法はいつから施行されましたか?

2026年1月1日に施行されました。

下請法と取適法の違いは何ですか?

法律名と当事者の呼称が改められたほか、価格協議に応じない一方的な代金決定の禁止、従業員数基準の新設、通報先の拡大が主な変更点です。

うちは資本金が小さい取引先と取引しています。対象になりますか?

従業員数基準(製造委託等300人、役務提供委託等100人)が新設されたため、資本金だけで判断できなくなりました。取引先の従業員数も確認してください。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール