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CASE ── 業種別モデルケース|樹脂成形(プラスチック製品製造)

成形と組立を手がける工場の粗利は「不良」と「付帯作業」で漏れる ── 年商7.4億円のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、樹脂成形(プラスチック製品製造)の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 成形に加えて組立や検査まで受ける工場では、①品番ごとの不良率の差、②組立・検査・梱包などの付帯作業を単価に含めてしまうこと、③預かっている金型の保管・メンテナンス負担が、粗利を削りやすい要因です。
  2. 成形単価だけで見積を作り、後から増えた付帯作業を無償で続けているケースがよくあります。
  3. 品番ごとに不良と付帯作業の時間を出して条件を見直すと、年商7.4億円規模で粗利率3ポイント強、年間約2,361万円の改善余地があります。

モデルケースの会社

業種樹脂成形(プラスチック製品製造)
年商7.38億円
従業員48名
主な取引先家電・住宅設備・自動車部品メーカー(約22社)

起きていたこと

成形機20台に加え、組立と検査のラインを持っています。取引先の要望に応えるうちに、簡単な組立や外観検査、個装の梱包まで引き受けるようになりましたが、単価は成形品のまま。粗利率は21%台から18.9%まで下がっていました。

診断で見えた「粗利の漏れ」

品番によって不良率が大きく違う

全体の不良率は2%台でも、薄肉や外観の厳しい品番では8%を超えるものがあり、その分が見積に入っていませんでした。

付帯作業が無償になっている

組立・外観検査・個装梱包の作業時間が月に延べ1,000時間近くあり、その多くが単価に含まれる扱いになっていました。

金型の保管・メンテナンス負担

取引先の金型を約150型預かり、保管場所とメンテナンスの費用を自社で負担していました。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

品番別に不良と付帯作業を見える化

品番ごとの不良率、組立・検査・梱包にかかる時間を記録し、成形単価との差で採算を出す。

DAY 31〜60日

付帯作業と金型費の条件を申し入れ

付帯作業を工程ごとに料金として明示し、金型の保管・メンテナンス費の負担を取引先と取り決める。

DAY 61〜90日

不良の多い品番から対策

不良率の高い品番について、成形条件と金型の状態を見直し、外観基準を取引先とすり合わせる。

粗利率の変化(モデル)

BEFORE
18.9%
→
AFTER(想定)
22.1%
改善幅 +3.2pt / 年間の粗利増加 約2,361万円

計算:年商7.38億円 × 3.2ポイント = 約2,361万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

「ついでに」引き受けた作業は、積み重なると大きな原価になります。作業時間を数字にすることで、料金として話し合える形になります。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工場長・品質管理責任者・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、品番別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、品番別・取引先別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

付帯作業の料金を求めると、取引先は嫌がりませんか?

作業内容と時間を明示して相談すると、取引先も社内で説明しやすくなります。取適法でも、型の無償保管や、無償の組立・検査を求めることは問題とされる場合があります(取引先との規模の関係で適用対象かは確認が必要です)。

不良の原因がよく分かりません。

まず不良の種類(ショート、バリ、ヒケなど)を品番ごとに数えるだけで、原因の当たりがつきます。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール