モデルケースの会社
起きていたこと
自動車部品や家電の部品を中心に、射出成形機30台で量産しています。ナフサ価格の上昇とともに樹脂原料が値上がりしましたが、単価の見直しは一部の取引先にとどまり、粗利率は21%台から18.5%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
原料連動の取り決めがない品番が多い
売上の約6割を占める品番で、樹脂原料の価格が変わっても単価を見直す取り決めがありませんでした。
金型のメンテナンス・保管費を自社が負担
取引先から預かっている金型が200型以上あり、メンテナンス・保管の費用を誰が持つか決まっていないまま、自社で負担していました。
小ロット化で不良・パージロスが増えた
多品種少量化で材料替え・色替えが増え、立ち上げ時の不良やパージ材のロスが、売上の約2%に相当していました。
90日の打ち手(モデル)
品番別に原料比率と不良率を出す
品番ごとの原料使用量×最新単価、立ち上げ不良・パージ量を集計し、原料高の影響が大きい品番と取引先を特定する。
原料連動と金型費の条件を申し入れ
原料比率の高い品番から、原料価格に連動して単価を見直す条件を提案。あわせて金型の保管・メンテナンス費の負担を取り決める。
段取り・材料替えのロスを減らす
生産計画を色・材料ごとにまとめ、材料替えの回数とパージ量を減らす。立ち上げ不良の基準を決めて記録する。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商12.14億円 × 3.3ポイント = 約4,006万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
成形メーカーの粗利は、原料価格という外部要因に大きく左右されます。だからこそ、原料連動の取り決めと金型費の負担ルールという「契約の形」を整えることが、現場改善と同じくらい効きます。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・工場長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、品番別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。