モデルケースの会社
起きていたこと
日用品や雑貨の部品を、成形機12台で作っています。最大顧客1社で売上の約4割を占め、原料が値上がりしても単価の見直しは数年に一度。色の種類が増えて色替えも多くなり、粗利率は22%台から19.2%まで下がっていました。
診断で見えた「粗利の漏れ」
原料高が単価に入っていない
原料の仕入単価はこの数年で上がっていますが、最大顧客向けの単価は改定されておらず、原料比率の高い品番ほど利益が薄くなっていました。
色替え・材料替えのロス
1日に何度も色替えをしており、そのたびに出るパージ材(色・材料替えのときに捨てる樹脂)と立ち上げ不良が、売上の約2.5%に相当していました。
最大顧客への依存
最大顧客の発注に合わせて生産を組むため、ほかの顧客の仕事が細切れになり、段取りが増えていました。
90日の打ち手(モデル)
品番別に原料比率とロスを出す
品番ごとの原料使用量と最新の仕入単価、色替えの回数とパージ量を記録し、採算の悪い品番を特定する。
原料の上昇を示して単価を相談
原料価格の推移と品番別の原価を示し、最大顧客を含めて原料比率の高い品番から単価改定を相談する。
色替えの順番を組み直す
薄い色から濃い色へ順に流すなど生産の順番を決め、色替えの回数とパージ量を減らす。
粗利率の変化(モデル)
計算:年商3.91億円 × 3.1ポイント = 約1,212万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
大口の顧客に頼っている工場ほど、値上げの根拠を数字でそろえることが大切です。感覚ではなく品番ごとの原価で話すと、交渉が条件の話になります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・製造責任者・経理担当へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、品番別・取引先別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。