モデルケースの会社
起きていたこと
和食・焼肉・カフェの3業態で23店舗を運営し、仕込みの一部をセントラルキッチンで行っています。食材・飲料の値上がりに対して、価格改定は業態ごとに判断が遅れがち。セントラルキッチンの稼働にもむらがあり、食材・飲料原価率は32%台から35.4%まで上がっていました(粗利率64.6%)。
診断で見えた「粗利の漏れ」
セントラルキッチンの稼働と歩留まり
仕込み量を店舗からの発注にそのまま合わせているため、日によって稼働にむらがあり、歩留まりの悪い食材のロスも店舗の原価に正しく配分されていませんでした。
業態ごとの採算の差
セントラルキッチンでの食材ロスを店舗・メニューに配分した「実質の食材原価率」で業態別に見ると、焼肉業態が他の業態より大幅に高く、価格改定も最も遅れていました。
価格改定の判断が遅い
値上げの判断を年1回のメニュー改定に合わせていたため、急な食材の値上がりへの対応が数か月遅れていました。
90日の打ち手(モデル)
業態別・メニュー別の採算を出す
セントラルキッチンでの食材ロスを店舗・メニューに配分し直し、業態別・メニュー別の実質の食材原価率を一覧にする(加工費・人件費は粗利とは別に管理)。
価格改定の基準を決める
主要食材の価格が一定以上上がったら、メニュー改定を待たずに価格と構成を見直す基準を決め、焼肉業態から実行する。
仕込み計画を平準化
店舗ごとの出数予測からセントラルキッチンの仕込み計画を作り、稼働のむらと食材のロスを減らす。
食材・飲料原価を引いた粗利率の変化(モデル)
計算:年商15.28億円 × 2.6ポイント = 約3,972万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。
このケースから言えること
セントラルキッチンは原価を下げる仕組みですが、正しく配分しないと、かえって採算を見えにくくします。業態別の数字を出すことが、価格判断を速める土台になります。
粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・営業部長・購買担当・セントラルキッチン責任者・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、業態別・店舗別・メニュー別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。