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CASE ── 業種別モデルケース|飲食店運営(複数店舗)

飲食店の粗利はメニュー原価と仕込みロスで決まる ── 年商4.2億円・5店舗のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、飲食店運営(複数店舗)の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 飲食店で粗利(売上から食材・飲料原価を引いた利益)が削られやすいのは、①メニュー別の原価が古いままであること、②仕込みロスと廃棄、③値上げをためらって価格が据え置かれていることです。
  2. 食材が値上がりしても、メニューの原価表を更新していないと、どの料理が利益を圧迫しているか分かりません。
  3. メニュー別の原価と出数を見て、価格と構成を見直すと、年商4.2億円規模で原価率3ポイント(粗利率3ポイント)、年間約1,254万円の改善余地があります。

モデルケースの会社

業種飲食店運営(複数店舗)
年商4.18億円
従業員正社員16名・アルバイト58名
主な取引先地域の個人客・宴会利用

起きていたこと

和食店と居酒屋を合わせて5店舗運営しています。肉・魚・野菜・油など食材の値上がりが続き、食材・飲料原価率は30%台前半から36%まで上がっていました(粗利率64%)。客足は戻っているのに、利益が増えない状態です。

診断で見えた「粗利の漏れ」

メニュー原価表が数年前のまま

主力メニューの原価計算が数年前の仕入価格のままで、実際の原価率が40%を超えている人気メニューがありました。

仕込みロスと廃棄

仕込み量を店長の経験で決めており、曜日によっては食材の廃棄が多く出ていました。

価格改定をためらっている

常連客が離れることを心配して、数年間ほとんど価格を変えていませんでした。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

メニュー別の原価と出数を出す

最新の仕入価格でメニューごとの原価を計算し直し、出数と掛け合わせて「売れているのに儲からないメニュー」を特定する。

DAY 31〜60日

価格と構成を見直す

原価率の高い人気メニューは、量・付け合わせ・価格を見直す。看板メニューは価値を伝える表現とあわせて価格を改定する。

DAY 61〜90日

仕込み量を出数から決める

曜日・天候別の出数をもとに仕込み量の目安を作り、廃棄の記録を付けて減らす。

食材・飲料原価を引いた粗利率の変化(モデル)

BEFORE
64.0%
→
AFTER(想定)
67.0%
改善幅 +3.0pt / 年間の粗利増加 約1,254万円

計算:年商4.18億円 × 3.0ポイント = 約1,254万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

飲食店の値上げは、全メニュー一律ではなく、原価と出数を見たうえでメニューごとに判断すると、お客様の離反を抑えながら粗利を戻せます。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・店長・料理長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、メニュー別・店舗別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

ARARI DOCK ── 1日診断
どこで粗利が漏れているか、いくら取り戻せるかを、1日で数字にします。

代表が1日現場に入り、メニュー別・店舗別の粗利をA4・8ページの診断レポートに。診断10万円(税抜)、診断だけで終了も可。成功報酬は増えた粗利額の20%にだけ連動します。

よくある質問

値上げしたら常連さんが来なくなりませんか?

看板メニューの価値を伝えつつ、原価の重いメニューから順に見直すことで、影響を抑えやすくなります。全品一律の値上げが最も反発を招きやすいやり方です。

店長ごとにやり方が違い、統一できません。

原価表と仕込み量の目安を共通のフォーマットにするだけでも、店舗間の差は縮まります。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール