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CASE ── 業種別モデルケース|飲食店運営(複数店舗)

11店舗の飲食企業が仕入とレシピをそろえて原価率を下げる ── 年商7.8億円のモデルケース

公開 2026-10-30 | 執筆 大越 隆行

※本記事のケースは、飲食店運営(複数店舗)の中小企業でよく見られる状況をもとに構成したモデルケースです。特定の企業の事例ではなく、数値は説明のための例です。

この記事の要点
  1. 10店舗前後を運営する飲食企業では、①店舗ごとに原価率が違うこと、②店舗ごとに仕入先や仕入価格がばらばらなこと、③盛り付け量(ポーション)が店舗や人によって違うことで、粗利(売上から食材・飲料原価を引いた利益)が削られやすくなります。
  2. 同じメニューでも、店舗によって原価率が3〜5ポイント違うこともよくあります。
  3. 店舗別の原価率をそろえ、仕入とポーションを統一すると、年商7.8億円規模で原価率3ポイント(粗利率3ポイント)、年間約2,405万円の改善余地があります。

モデルケースの会社

業種飲食店運営(複数店舗)
年商7.76億円
従業員正社員31名・アルバイト120名
主な取引先地域の個人客・宴会・テイクアウト

起きていたこと

居酒屋と定食店を合わせて11店舗運営しています。店舗が増えるたびに、店長がそれぞれ近くの業者から仕入れるようになり、価格も条件もばらばら。食材・飲料の値上がりも重なり、食材・飲料原価率は33%前後から36.6%まで上がっていました(粗利率63.4%)。

診断で見えた「粗利の漏れ」

店舗ごとに原価率が違う

店舗別に並べると、最も低い店舗と高い店舗で原価率に5ポイント近い差があり、高い店舗ほど仕込みロスと廃棄が多くなっていました。

仕入先と仕入価格がばらばら

同じ食材を店舗ごとに別の業者から仕入れ、価格に1〜2割の差がありました。

ポーションのばらつき

主力メニューの盛り付け量が店舗や担当者によって違い、レシピより多めに盛る傾向がありました。

90日の打ち手(モデル)

DAY 1〜30日

店舗別・メニュー別の原価率を出す

最新の仕入価格でメニュー原価を計算し直し、店舗別の出数と掛け合わせて、原価率の差の原因を特定する。

DAY 31〜60日

仕入先と規格を統一

主要食材の仕入先を絞って価格と規格をそろえ、本部でまとめて条件を交渉する。

DAY 61〜90日

レシピとポーションの標準化

主力メニューのレシピと盛り付け量を写真付きで標準化し、計量器を全店に置いて守る。

食材・飲料原価を引いた粗利率の変化(モデル)

BEFORE
63.4%
→
AFTER(想定)
66.5%
改善幅 +3.1pt / 年間の粗利増加 約2,405万円

計算:年商7.76億円 × 3.1ポイント = 約2,405万円(売上が同じと仮定した場合)。効果は企業の状況により異なります。

このケースから言えること

店舗が増えたら、店長の工夫に任せていた仕入とレシピを「本部の仕組み」に移す時期です。原価率の差は、そのまま改善の余地を示しています。

粗利ドックの1日診断では、代表が1日現場に入り、社長・エリアマネージャー・料理長・経理へのヒアリング、現場観察、見積や伝票の実物レビューを経て、店舗別・メニュー別にどこで粗利が漏れ、どれくらい取り戻せる余地があるかをA4・8ページの診断レポートにまとめます。

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よくある質問

仕入先を絞ると、店舗の近くの業者との関係が悪くなりませんか?

主要食材だけを統一し、鮮度が大事な食材は地元の業者を残すなど、使い分けると無理がありません。

ポーションを減らすとお客様が不満を持ちませんか?

減らすのはレシピより多すぎる分です。レシピ通りにそろえることで、店舗ごとの品質の差も小さくなります。

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執筆:大越 隆行(T&Fアセットマネジメント株式会社 代表取締役兼CEO)Amazonで世界基準のオペレーションに携わった後、プライム上場企業の構造改革推進室で値上げ交渉・事業再生・撤退・M&Aを実行。粗利ドックの診断・伴走・再建はすべて本人が現場に入ります。プロフィール